コース
シェフプレミアムセレクション
3種。ホタテの炒め物にイクラをのせたもの、焼き豚の金木犀蜂蜜ソース添え、海老フライトースト。
いくらはさっぱりとしていて、シャンパンによく合う。海老のトーストはサワーソースと相性が良く、爽やかな味わい。ポークは非常に柔らかく、タレが控えめなぶんポーク本来の旨味が引き立っている。
蟹爪と蟹卵の炒め物
蟹爪と蟹卵の炒め物。黄人参と生姜のみじん切り。
蟹の香ばしさと濃厚な風味が素晴らしく、ぷりぷりとした身の食感も楽しめる。甘さ控えめの人参と微かに感じる生姜が、パクチーと共に良いアクセントになる。濃厚なのにくどさを感じさせない絶妙なバランスだった。
重ね煮チキンスープと魚の浮袋
重ね煮のチキンスープに魚の浮袋、ベビーココナッツ入り。
ココナッツの香りが広がって、甘さが強い。初めはチキンの風味がわかりづらいが、飲み進めると段々とチキンスープ本来の旨味が出てくる。三時間ボイルしたチキンは柔らかく、ココナッツジュースが加わることで独特の甘みになる。魚の浮袋は微かに海鮮の風味が感じられて、スープとの相性も抜群。
南アフリカ産吉浜鮑とシイタケの蒸し煮
南アフリカ産の吉浜鮑とシイタケの蒸し煮。
鮑とシイタケ両方の濃厚な味わいと食感が絶妙に調和する。特にシイタケの美味しさが際立って、鮑とソースと共に後味までしっかり楽しめる。
牛チャクフラップテールとトマトの煮込み
牛チャクフラップテールとトマトの煮込み。貝のソテー添え。
パサパサしがちな部位にもかかわらず、非常にジューシーで旨味が豊富だった。控えめなトマトソースが絶妙にマッチして、ビーフの風味を引き立てる。
アマドコロ根スライス・ピーカン・アスパラガスの炒め物 燕の巣入り
アマドコロ根、ピーカン、アスパラガスの炒め物。燕の巣入り。
オイスターソースで炒めてあって、軽めの野菜の味わいが際立つ。燕の巣がパリパリした食感を加えて、ほんのり油の風味がアクセントになる。全体として色々な食感が楽しめる。
干しエビとアサリの魚出汁煮込みビーフン
干しエビとアサリの魚出汁で煮込んだビーフン。
魚介の濃厚な味わいが特徴。干しエビの深い旨味と優しいヌードルが絶妙にマッチする。ただしボリュームがあって、完食は難しい。
シェフの特製デザート
鳩の卵入りの甘味腐皮巻クリームと、焼きパフの牛乳とチーズ詰め。
どちらも上品な甘さ。パフとチーズクリームはクリーミーでコクがあり、鳩の卵クリームは滑らかでほんのり甘い。
まとめ
一〇二階から街を見下ろしながら食べる広東料理で、Black Pearl Degustation Menu という名前のとおり高級食材を並べてくる。吉浜鮑、燕の巣、魚の浮袋、蟹卵。
面白いのは、素材が高価なわりに味付けが控えめなところ。牛チャクフラップテールのトマトソースは控えめで肉の風味を立て、焼き豚のタレも控えめでポーク本来の旨味を出す。蟹爪と蟹卵の炒め物も、濃厚なのに人参と生姜とパクチーでくどさを消してくる。素材で押し切らずに、引く方向で組んでいる。
いちばん印象に残ったのは蟹爪と蟹卵の炒め物だった。香ばしさと濃厚さがあって、身はぷりぷり。それでいて重くならない。
飲みものはプーアル茶で、生茶と熟茶の2種類。生茶は若々しい草の香りとフレッシュな酸味で時間とともに変化し、熟茶は土や木のような深い香りと甘味がある。茶で最後まで通すのも、この料理の引き算に合っていた。
香港に行くなら、この高さで食べる体験ごと込みで。次は点心の時間に来てみたい。