8月15日の夜、金沢・片町の鮨 いくたへ。カウンター8席の店で、日本酒をグラスで何杯か飲みながら、つまみ5品と握り10貫。

コース

01

食材

鯛の造り。花穂と紫蘇の花をのせ、たれの上に。わさび

造り。花穂と紫蘇の花をのせ、たれの上に置いてある。わさび。

身は締まっていて、たれをくぐらせると甘みが立つ。

02

平貝磯部焼き

食材平貝

海苔で巻いた平貝の磯部焼きを手で持つ

焼いた平貝を海苔で巻いて、手で持って食べる。

貝柱は焼くと甘みが出て、海苔の香りがそれを包む。

03

タコ 辛子

食材水蛸

柔らかく煮た蛸。わさびと辛子

水蛸。わさびと辛子を添えて。

柔らかく煮てあるので歯がすっと入り、辛子が蛸の甘みを引き出す。

04

カラスミ餅

食材唐墨

焼いた餅で唐墨を挟んだカラスミ餅

焼いた餅で唐墨を挟む。

餅の香ばしさに唐墨の塩気が乗る。つまみの締めにちょうどいい一口。

05

蒸し鮑 肝リゾット

食材枝豆

蒸し鮑を肝で和えた米の上に。枝豆二粒とわさび

蒸した鮑を、肝で和えた米の上に。枝豆が二粒とわさび。

肝のほろ苦さが米に回って、鮑の歯ごたえと合う。ここから握りに移る。

06

アラ

食材アラ

皮目を炙ったアラの握り

皮目を炙ってある。

皮は炙りで、香ばしさと旨みがはっきり出る。握りの1貫目にこれが来ると、あとが楽しみになる。

07

大トロ

食材

大トロの握り

大将が釣ってきたばかりの鮪。

新鮮そのもの。釣りたてのぶん脂が重くなく、口の中でほどける。この店で食べる理由が、この1貫に全部ある。

08

コハダ 新子

食材新子

新子二枚付けの握り

新子の二枚付け。八月の握り。

〆は浅く、酢の香りより身の柔らかさが先に来る。

09

アジ

食材

アジの握り

皮目に包丁を入れてある。

脂が乗っていて、皮目の包丁で舌触りがなめらか。

10

マグロ 漬け

食材

鮪の漬けの握り

濃い赤で、艶がある。

漬けの醤油が身に入って、赤身の旨みが濃くなる。

11

カワハギ

カワハギの握り。上に肝

上に肝、酢飯に小口の葱。

淡白な身に肝のコクが乗る。

12

カンパチ

カンパチの握り

皮目の銀を残した握り。

身に弾力があって、皮目の近くに脂がある。

13

ハマグリ

食材

煮ツメを塗った蛤の握り

煮ツメを塗って、緑縁の角皿で。

煮ツメの甘さで蛤の旨みが引き立つ。

14

マグロ中落ち おしんこ 手巻き

食材

鮪の中落ちと沢庵の手巻き

鮪の中落ちと刻んだ沢庵を、海苔で手巻きに。

中落ちのねっとりした身に、沢庵の歯ごたえが入る。

15

食材

焼いた鰻の握り。柚子の皮

焼いた鰻に柚子の皮を振って。

焼いた鰻に柚子の香りが立つ。締めにふさわしい温度と香り。

まとめ

この店の面白さは、大将が自分で釣ってくる魚が握りに混じることだと思う。この日の大トロがそれで、釣ったばかりの鮪をカウンターで握ってもらえるのは、金沢の片町でこの店だけの経験になる。

八月らしさは新子にあった。二枚付けで、〆は浅い。夏の終わりの短い時期にしか出ない握りが、つまみから握りへの流れの中で自然に出てくる。

つまみ5品もよかった。鯛の造りから始まって、平貝の磯部焼き、水蛸、カラスミ餅、そして鮑の肝リゾットで握りに入る。順番に軽さから濃さへ動いていく。

この日いちばんよかったのは大トロだった。理由は新鮮さで、それはこの店でしか手に入らないものだ。

次は秋、鮪の脂がさらに乗る時期に来てみたい。