コース
凍み豆腐/蓮根/馬/信州サーモン/味噌
板の上に、パンをくり抜いた器と匙と小さなガラス。馬肉にごま油と紫蘇、信州サーモンにクスクスと味噌、凍み豆腐に竹炭のパン粉とアンチョビ、蓮根のチップ、醤油麹の餅。
酒に合う濃さ。素材も良い。
人参/蕪/トマト/ラディッシュ/スティックセニョール
蕪にディル、ラディッシュのおひたし、人参のグラッセ、スティックセニョール。黒ニンニクを点で置いて、緑のオイルを引く。
新鮮でシャキシャキ。かなり美味しい。メイン級。
鹿
美ヶ原高原の鹿を串に刺して薪火で焼き、玉ねぎとニンニクのBBQ。朴葉に載せてレモンを添える。
美味い。鹿らしさはない。柔らかくて、味の濃さもちょうどいい。
原木椎茸/舞茸/里芋
猪のラードで炊いた汁。原木椎茸と舞茸、里芋。春菊を浮かべる。
きのこと草のうまさ。里芋は塩っけがあって柔らかく、美味しい。
佐久鯉
5日熟成させた佐久鯉を揚げて、下に醤油。金彩の鉢に、青いソースを添えて。
胸の唐揚げのような柔らかさと、醤油。
安曇野放牧豚
りんごとすいかを食べて育つ安曇野の放牧豚。わさび菜の茎と、茄子のピューレ。
柔らかく、豚の旨みがある。
蕎麦/真田丸
そば粥に、真田丸の身をほぐして載せる。紫の花を散らす。
やさしい味。酒のあとの、人休め。
甘酒
酒粕の一皿。ココアの生地に、カカオニブと生姜を散らした飴のチュイルを立てる。
まとめ
浅間温泉の松本十帖、薪火のダイニング三六五+二で11月7日の夜。凍み豆腐と馬と信州サーモンの板から、地野菜、美ヶ原高原の鹿、猪のラードで炊いたきのこ、佐久鯉、安曇野の放牧豚、真田丸のそば粥、最後に酒粕の一皿まで。
良かったのは野菜。蕪にディル、ラディッシュのおひたし、人参のグラッセ、スティックセニョール。新鮮でシャキシャキで、かなり美味しい。メイン級だった。鹿も美味い。鹿らしさはないが、柔らかくて、味の濃さもちょうどいい。里芋の塩っけと柔らかさも良かった。
それでも、通してみると良くなかった。皿ごとに素材は良いのに、一晩の流れとして残るものが薄い。
ペアリングもあまり良くなかった。7杯出てくる。
信州のものだけで7杯を組むという発想はわかる。サイダー、ワイン、ジン、日本酒と種類も振ってある。ただ、どれも皿の側に寄ってこない。グラスと皿が別々に進んでいく感じで、合わせた意味が最後まで見えなかった。
献立には、千曲川・信濃川の流域と、その川が注ぐ日本海のものだけを使うと書いてある。素材の集め方は面白いし、実際に野菜も鹿も佐久鯉も良かった。それが一皿の中でどう効いているかが、この晩には見えなかった。
行くなら野菜の季節。地野菜のためだけなら惜しくない。次はペアリングを頼まず、酒は自分で選んでみたい。