コース
前菜(クリームチーズの最中、生ハムと桃、アオリイカ)
3種。クリームチーズの最中、安曇野の生ハムと桃、アオリイカ。
最中はクリームチーズの濃厚な味が先に広がって、胡麻と最中の皮がそれをまろやかに包み込む。生ハムと桃は甘さと塩味のバランスが絶妙。アオリイカは味わいこそ控えめだが、噛むほど旨味が出てくる。
とうもろこしのピューレとフライ
北海道産の恵味ゴールドを、塩だけで作ったピューレとフライで。
ピューレは非常に濃厚な甘味が出ている。とうもろこし本来の旨みもしっかり感じられて、フライのほうで香ばしさが加わる。同じ素材を二つの状態で見せてくる。
鮎と加賀太きゅうり
皮を香ばしく焼いた鮎を、焼いた加賀太きゅうりに重ねてある。緑のピューレときゅうりのジュレを離して置き、ハーブオイルを線で引いてある。
加賀太きゅうりをジュレ、ジュース、オリーブオイルのソースと3種類にして合わせている。きゅうりの爽やかさとほのかな瓜の風味が際立って、鮎の苦味を程よく緩和する。
この日いちばん印象に残った1皿。
ハタとズッキーニ、白海老ソース
地元のハタと能登のズッキーニに、富山の白海老のソース。
白海老の香りが強く、ソースもクリーミーで白海老の風味がしっかり出ている。そのさらりとした食感とハタの淡白な味が絶妙にマッチする。ぷりぷりした身と、香ばしく焼き上げた皮がアクセントになる。
鴨と夏野菜
国産鴨と熟成じゃがいも、万願寺とうがらし、茄子。
鴨は単体でも豊かな旨味を持っているが、牛蒡やトマト、山椒を使ったソースとの相性が抜群だった。適度な噛みごたえもある。茄子はふわふわで自然な甘みがあり、熟成じゃがいもは優しい甘みが広がる。
鮎と並んで、この日いちばん印象に残った1皿。
金沢のグレープのデザート
金沢のグレープ。ヨーグルトのすっきりとした酸が、グレープの甘さを引き立てる。
プティフール
カヌレ、フィナンシェ、チョコテリーヌ。
まとめ
メニュー表のない店で、その日の食材で組む。八月は北陸を横に辿るような並びだった。地元のハタ、能登のズッキーニ、富山の白海老、加賀太きゅうり、金沢のグレープ。そこに北海道のとうもろこしと安曇野の生ハムが混ざる。
この日いちばんよかったのは鮎と加賀太きゅうり、それに鴨と夏野菜だった。鮎のほうは、加賀太きゅうりをジュレとジュースとオイルのソースの三つに分けて合わせてくる。同じ野菜を三つの状態にして、鮎の苦味を少しずつ緩和していく。とうもろこしもピューレとフライの二状態で出てくるので、この店は一つの素材を分解して見せるのが好きなのだと思う。
鴨のほうは牛蒡とトマトと山椒のソースが効いていた。鴨の旨味を消さずに、山椒で輪郭だけ立てる。付け合わせの熟成じゃがいもと茄子も、それぞれ甘みの方向が違う。
ワインは小布施ワイナリーのメルロー。日本ワインの品揃えが充実していて、そこも良かった。
夏に金沢へ行くなら、鮎と加賀太きゅうりが重なるこの時期に。次は冬の香箱蟹の頃に来てみたい。