9月2日の昼、札幌・円山の和田へ。カウンター7席の店で、店主は奥尻の生まれ。この日の献立には、奥尻の茗荷と奥尻の雲丹が両方出てきた。

コース

01

つるむらさき 空芯菜 トマト

つるむらさき、空芯菜、トマトの冷たい和え物。胡麻

灰釉の小鉢に、つるむらさきと空芯菜、トマトの冷たい和え物。胡麻。

冷たく、控えめな甘さ。山菜とモロヘイヤのような食感と味で、最初の一口が涼しい。

02

寿都のメジマグロ 奥尻の茗荷

食材メジマグロ茗荷

産地メジマグロ北海道 寿都茗荷北海道 奥尻

赤絵の皿に寿都のメジマグロ。上に奥尻の茗荷

赤絵の皿に、寿都のメジマグロ。刻んだ奥尻の茗荷を山にして、醤油。

茗荷はピリッとした辛さ。メジマグロは大人しい味だけれど、マグロらしさがある。地味に茗荷に負けない。

03

ホヤ 辛味大根

ガラスの器のホヤ。辛味大根のおろしと赤い蕪

ガラスの器にホヤ。辛味大根のおろしと、赤い蕪の薄切り。

辛味大根はかなり辛い。それがホヤの癖を消してくれているのかもしれない。

04

帆立のしんじょう 札幌の九条ネギ

食材帆立九条ネギ

産地九条ネギ札幌

黒い椀。帆立のしんじょうと札幌の九条ネギ

黒い椀。澄んだ出汁に帆立のしんじょうと、札幌の九条ネギ。

出汁にネギの甘さが出ている。帆立のしんじょうは色々な甘みと柔らかさがあって、かなり美味しい。それを出汁がきりっと締める。

05

あいなめの天ぷら 玉ねぎ ピーマン きくらげ

あいなめの天ぷらに餡。ピーマンときくらげ

白い片口の器。餡の中にあいなめの天ぷら、玉ねぎ、ピーマン、きくらげ。

あいなめの旨みが詰まっている。ピーマンときくらげは苦味がなく、餡で甘さを出す。玉ねぎの甘さが際立つ。

06

食材

朱の椀に鮑と肝、出汁

朱の椀に鮑と肝。水と醤油と酒で茹でただけ。

鮑が柔らかくなり、塩分が出て出汁も良い。特段すごい旨味があるわけではないけれど、なぜか相当シンプルに美味しい。

07

厚岸の牡蠣 おかひじき メロン オクラ

食材牡蠣おかひじき

産地牡蠣北海道 厚岸

赤絵の角皿。厚岸の牡蠣、おかひじき、メロン、オクラ

赤絵の角皿。火を入れた厚岸の牡蠣に、おかひじき、メロン、オクラ。

牡蠣は生ではないのでミネラル感はない。代わりに旨味が凝縮されていて、クリーミーではなく、牡蠣本来の味だけがある。後味も残って美味しい。

08

幌加内の牛肉 茄子 レタス にんにくチップ

食材牛肉茄子

産地牛肉北海道 幌加内

土鍋の幌加内の牛。茄子、レタス、にんにくチップ

土鍋。幌加内の牛の薄切り、茄子、レタス、白菜、にんにくチップ。醤油系の出汁で。

09

握り 帆立

食材帆立

木の板に帆立の握り

ここから握り。木の板の上に、醤油を塗った帆立。

10

握り ヒラメ

食材ヒラメ

ヒラメの握り

ヒラメ。皮目に包丁を入れて。

11

握り ホッキ貝

ホッキ貝の握り

ホッキ貝。

12

握り 甘海老

食材甘海老

甘海老の握り

甘海老。

13

握り まぐろ

食材

まぐろの赤身の握り

まぐろの赤身。

14

握り 奥尻の雲丹の塩漬け

食材雲丹

産地雲丹北海道 奥尻

奥尻の雲丹の塩漬けの握り

奥尻の雲丹の塩漬け。茗荷に続いて、二つ目の奥尻。

15

玉子焼き

玉子焼き。

16

フルーツほおずき チョコレート 人参のシフォン 抹茶のプリン バニラ

木の盆にバニラのアイス、抹茶のプリン、チョコレート、フルーツほおずき、人参のシフォン

木の盆に、バニラのアイスとミント、抹茶のプリン、チョコレート、フルーツほおずき、人参のシフォン。

まとめ

この店の軸は奥尻だと思う。店主が奥尻の生まれで、メジマグロに乗せた茗荷も、握りの締めの雲丹の塩漬けも、そこから来ている。北海道の中でも、この島のものがカウンターに二度出てくる店は他にない。

産地の幅も北海道を一周する。寿都のメジマグロ、厚岸の牡蠣、幌加内の牛、札幌の九条ネギ。皿ごとに町の名前が付いていて、どれも味の記憶と一緒に残る。

この日いちばんよかったのは帆立のしんじょうの椀だった。しんじょうの甘みと柔らかさを、ネギの甘さが出た出汁がきりっと締める。鮑の椀も、水と醤油と酒で茹でただけなのに、なぜか相当シンプルに美味しかった。

9月の初めで、つるむらさきと空芯菜の冷たい和え物から始まり、牡蠣に火が入り、鍋が出る。夏から秋に渡る途中の献立だった。次は冬、奥尻の雲丹の時期が終わって、何が島から来るのか見てみたい。