コース
トマトと巻貝
トマトと巻貝、さくらんぼ、ピーマン。
軽い酸っぱさと苦味の中で、トマトの甘さとみずみずしさが引き立つ。さくらんぼや巻貝、ピーマンのシャキシャキとした食感が加わって、さっぱりした前菜になる。
余市の鮎と夏の瓜
余市の鮎に、ズッキーニとスイカとメロンの皮、キュウリ。
鮎はふっくらとした身。合わせた瓜の皮の苦味やハーブが、鮎の味わいを引き立てる。山椒のスパイシーな風味が全体にアクセントを加えていて、非常に美味しい。
支笏湖のヒメマスのルイベ
支笏湖のヒメマスをルイベで。さくらんぼのマリネ、ウドのピクルス、野良にんじんの花。
味は控えめながら、後からじわじわ広がってくる。マリネやピクルス、花との組み合わせが素晴らしく、ビネガーの酸味は控えめで全体のバランスが絶妙だった。
トキシラズと夏のアスパラ
トキシラズと夏のアスパラ。餡と米を合わせてある。
餡はしっかりとした出汁の風味が感じられて、トキシラズの豊かな旨みと見事に調和する。そこにアスパラの爽やかな風味と米が加わる。
ヒグマのパテとゴボウパン
ヒグマのパテと、野良のゴボウを練り込んだパン。
パンにはゴボウの風味がしっかり練り込まれている。ヒグマの肉は癖がなく非常に食べやすくて、パテは豊かな味わいの鹿肉のような風味を持っている。ゴボウパンとの組み合わせが良い。
余市の雲丹と焦がしたパプリカ
余市の雲丹に、焦がしたパプリカと茄子。
ミョウバンの風味がパプリカによって緩和されて、雲丹本来の濃厚でクリーミーな味わいが引き立つ。焦がしたパプリカと茄子の香ばしさとスパイスのアクセントが、複雑でバランスの取れた味わいにしている。
美国の雲丹とトマトと塩辛
美国の雲丹と高糖度のトマト、それにデザートワインのオリで作った塩辛。
雲丹は自然の甘さがある。トマトがその旨味を際立たせて、塩辛とハーブが全体の味を引き締める。産地が変わると雲丹の出方も変わる。
雲丹と海藻のフォカッチャ
雲丹と海藻のフォカッチャ。
もちもちとした食感と、ほのかな塩味。海藻と雲丹の組み合わせが絶妙で、それぞれの風味が見事に調和する。
バフンウニとワラビのもちもちパン
バフンウニとワラビをのせたもちもちパン。
雲丹の旨味とワラビが絶妙なバランスで調和する。パンのほのかな甘さとウニの甘さが口の中に広がって、余韻として残る風味が魅力的。
積丹余別の雲丹のタリオリーニ
積丹余別の雲丹のタリオリーニ。クリームベースのスープに沈んでいる。
雲丹の香りが口から鼻へと広がって、その芳醇さを楽しめる。スープは出汁が効いていて、全体的に優しい味わい。すべての食材が一体となった後の余韻も格別だった。
この日いちばんよかった1皿。
さくらんぼシュークリーム
さくらんぼのシュークリーム。
さくらんぼの甘さが際立ち、外側はさくら塩漬けがふんわりと香る。クリームとさくらんぼのバランスが絶妙。
まとめ
七月は雲丹だった。それも1種類ではなく、余市、美国、積丹余別と産地を変えて出してくる。さらにバフンウニもあって、雲丹の皿だけで5品ある。
面白いのは、産地ごとに調理を変えているところ。余市の雲丹は焦がしたパプリカと茄子で香ばしさを足し、美国の雲丹は高糖度のトマトと塩辛で甘さと塩気を当てる。積丹余別の雲丹はタリオリーニにして、クリームと出汁のスープに沈める。同じ食材でも、産地が変わると出方が変わるということを、5皿かけて見せてくる。
いちばんよかったのは積丹余別のタリオリーニだった。雲丹の香りが口から鼻に抜けて、スープの出汁が全体を優しくまとめる。食べ終わったあとの余韻が長い。
雲丹以外だと、ヒグマのパテが記憶に残った。癖がなくて鹿肉のような風味で、野良のゴボウを練り込んだパンと合わせる。支笏湖のヒメマスのルイベも、さくらんぼのマリネと野良にんじんの花という組み合わせが良かった。
ワインは11皿ぶん替わり、造り手も Pink Orchards、じき、ドメーヌ・タカヒコ、ココ・ファーム、ランセッカ、ドメーヌ・アツシスズキ、ドメーヌモンとほとんど重ならない。
夏に余市へ行くなら、雲丹が揃うこの時期に。次は秋のきのこの季節に来てみたい。