コース

01

トマトとアオリイカのフリット

そば粉で揚げたトマトのフリット

そば粉で揚げたトマトのフリット。続けてアオリイカ。

トマトは自然に育てて厳選したもので、食べ頃の甘すぎず酸っぱすぎずというバランスが完璧だった。サクサクな衣が味を包み込んで、塩が甘さを引き立てる。アオリイカは厚めなのに衣と相まって噛みごたえが柔らかく、さっぱりかと思いきや噛むごとに旨味が出てくる。

02

ニシンと生姜の大葉巻き

食材ニシン

ニシンと生姜を大葉で巻いた一皿。野良ニラの実と梅ソースがかかっている

ニシンと生姜を大葉で巻いて、野良ニラの実と梅ソース。

肌寒くなった秋には辛い食べ物ということで、生姜が大きめに入っている。シャキシャキして食べやすいが結構辛い。それに隠れてしまいそうなニシンも、単体で食べるとその濃厚さに驚く。大葉がアクセントになってさっぱり収まる。

03

余市の鮎のお粥

食材

産地余市

余市の鮎のお粥。おこげが添えてある

余市の鮎のお粥。おこげは出来立てでザクザクしている。

香りも味も鮎を感じるのに、鮎特有の苦味はあまり出ていない。山椒などが良いスパイスになって、食べる度に味が変化するのが面白い。

04

ヒラマサと茄子とプルーン

ヒラマサとマリネした茄子、プルーン。野菊の花がのる

ヒラマサとマリネした茄子、プルーン。上に野菊の花。

ヒラマサは脂が乗っている。そこに茄子とプルーンの控えめな酸っぱさが来て、ちょうど良いバランスになる。花もソースも含めて上手く調和している。

05

舞茸のフリットと筋子のフリット

大きな舞茸のフリット。桃と赤ワインで煮たバラ肉を添えてある

大きめの舞茸のフリット。桃と、赤ワインで煮たバラ肉を合わせる。

舞茸は香ばしい匂いが特徴で、かなりサクサク。口の中でも香りが広がる。部位によって味が変わり、傘の方が濃厚だった。

カキドオシの葉は自分で細かく千切ってフリットにかける。指に残った匂いも一緒に楽しむ仕掛けになっている。

筋子のフリットとじゃがいもも続く。筋子はフリットで旨味が閉じ込められてまろやか。マッシュと刻んだじゃがいもの甘さと、軽い塩とで、筋子の濃厚さが相互により強く感じられる。カキドオシのおかげで脂っこくならない。

06

札幌の松茸とハタのだし汁

食材松茸ハタ

産地松茸北海道 札幌

札幌の松茸とハタのだし汁

札幌の松茸とハタのだし汁。

鰹節のシンプルな出汁に、松茸の芳醇な香りが立つ。ハタは脂がのって味も濃厚なのに、松茸もそれに負けない。きのこらしい旨味が良く合う。ピノノワールビネガーがそれらをすっきりまとめる。

07

ほっきとUFOピーマン

ほっきとUFOピーマン、茄子。焦がした万願寺とうがらしのピューレ

ほっきとUFOピーマンと茄子に、万願寺とうがらしなどを焦がしたピューレ。

UFOピーマンと呼ばれるユニークな形のピーマンは、シャキシャキした食感で程よい苦味と甘みがあり、非常に新鮮だった。ほっきは噛みやすいぐらい柔らかい。食材同士の味と食感の組み合わせが良い。

08

タマゴタケのリゾット

タマゴタケのリゾット。牛のタルタルを合わせてある

タマゴタケのリゾット。牛のタルタルを合わせてある。

「皇帝のきのこ」と呼ばれるだけあって、想像以上に美味しかった。カビというよりはナッツや土のような風味があって、単体で食べても味が成立する。それが牛のタルタルに負けないぐらい濃厚で、リゾットとしての完成度も高い。

この日いちばんよかった1皿。

09

熊肉と茄子の団子

熊肉と茄子の団子。野草のちどめぐさときのこがのる

熊肉と茄子の団子。上に野草のちどめぐさときのこ。

熊肉はジビエ特有のクセが若干あるが、上の野草ときのこが味を包み込む。カレースパイスのようなソースも熊肉と良く調和して、優しい味に仕上がっている。

10

香茸のフリットとおこげご飯

食材香茸

香茸のフリットとおこげご飯

香茸のフリットとおこげご飯。

「幻のきのこ」と呼ばれる香茸は非常に芳醇で、香りが立つ。甘みだけでなく旨味やコクもある。おこげご飯の香ばしさと合わさると出汁感が増して、和の調和という感じになる。口の中に余韻が残って、食べたあともしばらく楽しめる。

11

ベイラープルーン

ベイラープルーン。焦がしキャラメルとクリームをのせ、下にザクザクした生地

ベイラープルーン。上に焦がしキャラメルとクリーム、下にザクザクした生地。

食感も味もシュークリームに近い。見た目ほど甘くないので、プルーンの味を十分に楽しめる。

12

オーリーのチョコケーキ

ヨイチノボリ オーリーの瓶と、そのオーリーを使ったチョコケーキ

オーリーを使ったチョコケーキ。

オーリーの葡萄とチョコレートが良く合うので、ちょうど良い濃厚さになる。

まとめ

十月はきのこ尽くしだった。舞茸、松茸、タマゴタケ、香茸。呼び名まで付いていて、タマゴタケが「皇帝のきのこ」、香茸が「幻のきのこ」。

いちばんよかったのはタマゴタケのリゾットだった。ナッツや土のような風味があって、単体で食べても味が成立する。それを牛のタルタルと合わせても負けない。香茸のほうも芳醇で、おこげご飯の香ばしさと合わさると出汁感が出てくる。イタリアンなのに、この2皿はどちらも和の方向に着地している。

ワインは12皿ぶん全部替わる。しかも中井観光農園、ドメーヌ・タカヒコ、蘭越いとう農園、LOWBROW CRAFT、ドメーヌ・アツシスズキ、じき、ドメーヌモン、登醸造と、造り手もほとんど重ならない。「できる限りの土地のおもてなし」という言い方どおり、近郊の食材に近郊のワインを当てていく。最後はオーリーで作ったチョコケーキにオーリーを合わせるところまでやる。

余市の鮎、札幌の松茸、ほっき、熊肉。北海道のものが順番に出てくるので、食べ進めるだけで土地を一周する。

秋に余市へ行くなら、きのこが揃うこの時期に。オーベルジュなので泊まれば翌朝の朝食まで続く。