9杯のペアリングを1杯ずつ刷ったカード
皿ごとの狙いが1行ずつ書かれた、9杯のペアリングカード

コース

01

先付 なまこ このこ ふき

染付の変形鉢に、なまこの薄切りと蕗、上にこのこ

細く切った蕗、なまこの薄切り、このこ、紫の小花をひとつ。

なまこ、このこ、蕗が一口で来て、うまい。

02

ホタルイカの鮨

染付の皿に、酢飯の上に載せたホタルイカと木の芽

小さく握った酢飯に茹でたホタルイカ、木の芽。

酢飯の酸が、肝の濃さを受け止める。

竹の笊に入った生きたホタルイカが青く光っている
笊の中で青く光っている

皿の前に笊が出てくる。生きたホタルイカが盛られていて、青く光っている。光るのは水揚げから3日以内だけだという。

03

お造り 氷見のメジマグロ 富山海老

食材メジマグロ富山海老わさび

産地メジマグロ富山 氷見

染付の六角皿に、氷見のメジマグロと富山海老の造り。わさびと芽紫蘇

氷見のメジマグロ、富山海老、わさびと芽紫蘇。

メジマグロは脂がうまく、海老はこりこりして甘い。

氷を敷いた鉢に並ぶ、生きた富山海老
氷を敷いた鉢に、生きたまま
灰釉の皿に、殻を開いた富山海老の頭
殻を開いた頭が、後から一つ

造りの前に、生きた富山海老を氷の鉢で見せてもらう。今日が最後だという。

04

椀 あいなめの葛叩き わらび 木の芽

黒い椀の澄んだ出汁に、あいなめの葛叩きとわらび、木の芽

あいなめの葛叩き、わらびを一本、木の芽。

木の芽の山椒が香って、あいなめそのものがうまい。

05

ホタルイカの刺身とルイベ

木箱の氷の上に、ホタルイカの刺身とルイベ。桜色の小花を添えて

木箱に敷いた氷、笹、ホタルイカの身の造り、ゲソ、凍らせたままのルイベ、桜色の小花を一枝。

造りはねっとり、凍らせたルイベは締まっている。刺身もうまいが、ルイベも良い。

06

ホタルイカの炭火焼き

九谷の緑の長皿に、炭火で焼いたホタルイカが3杯

目の前の炭火で箸で返しながら焼いたホタルイカを3杯、味付けはなし。

肝がうまくて、香ばしい。もう一段焼いたほうは足に焦げ目が入って、さらに香ばしい。

丸い炭火の焼き台に並べたホタルイカを、箸で返すところ
丸い焼き台に並べて、返しながら
同じ皿に、さらに焼いて焦げ目のついたホタルイカ
同じ皿で、もう一段焼いたもの
07

ホタルイカの釜揚げ うるいの酢味噌

把手付きの飴釉の器に、出汁を張ったホタルイカの釜揚げ。瓢箪形の皿にうるいと酢味噌

器に釜揚げのホタルイカ、出汁も少し張ってある、皿にうるいと酢味噌。

焼きのあとにこれが来ると、同じ肝がさっぱりしている。

08

焼き物 サクラマス 鶏の松風 蕗の葉

桜の染付皿に、焼いたサクラマスと芥子の実をふった鶏の松風、蕗の葉、すだち

焼いたサクラマスの頭のところ、鶏のひき肉を焼き固めて芥子の実をふった一片、レーズン、蕗の葉を炊いたもの、すだちを半分。

皮の脂と、蕗の葉の苦みが行き来する。

09

いわしのつみれ

食材鰯長葱

白い碗の出汁に、いわしのつみれと薄く切った長葱

いわしのつみれ、薄く切った長葱、挽いた黒胡椒。

つみれだけでなく、出汁もうまい。

10

富山のながらもと素麺 ホタルイカの天ぷら

食材ながらもホタルイカ梅

産地ながらも富山

灰釉の碗に素麺とながらも。奥の皿にホタルイカの天ぷらが2つ、梅肉を載せて

碗に素麺、富山のながらもという海藻、皿にホタルイカの天ぷらが2つ、巻いた青葉、梅肉を一点ずつ。

ながらものぬめりが出汁ごと素麺に絡み、天ぷらは梅肉の酸で肝の甘さが締まる。

11

ご飯 小矢部の米

食材米

産地米富山 小矢部

飴釉のおひつに炊きあがった白飯

おひつに小矢部の米、香の物、醤油の出汁に漬けたホタルイカに大根おろし、佃煮、ほぐし身、練り味噌。

これが良い米。四つのお供をひとつずつ、飯で受け止めていく。

膳の白飯と香の物、奥にご飯のお供が4種
ご飯のお供が四つ並ぶ
12

和歌山の三宝柑

食材三宝柑

産地三宝柑和歌山

ガラスの皿に、蓋を切った三宝柑がまるごと1つ

皮ごと器にした和歌山の三宝柑、切った蓋。

開けた瞬間に香りが来る。

13

苺大福 黄身あん

食材苺

木の皿に苺大福、隣に抹茶の茶碗

苺大福、黄身あん。

こっくりしたところが、苺の酸を受け止める。

まとめ

富山市の海老亭別館で3月の夜。ホタルイカを6通りで食べる。鮨、刺身、ルイベ、炭火焼き、釜揚げ、天ぷら。最初に笊で見せてもらったものは、まだ青く光っていた。

炭火焼きは味付けをせず、目の前で焼くだけで、肝の旨みと香ばしさがそのまま来る。もう一段焼いたものが続いて、焦げ目の分だけ香りが増す。造りのねっとりと、凍らせたルイベの締まりは別のもので、どちらも良かった。釜揚げは焼きのあとに来るぶん、同じ肝が軽く感じられる。生で、茹でて、凍らせて、焼いて、揚げてと一巡すると、肝の出方が一段ずつ変わっていくのがわかる。

ホタルイカだけではない。氷見のメジマグロは脂がうまく、富山海老はこりこりして甘い。その富山海老は今日が最後だという。椀はあいなめの葛叩きにわらびと木の芽で、山椒が香る。焼き物はサクラマスの頭のところ。ながらもという海藻が素麺に載り、米は小矢部。湾と春の山菜の間を、ほとんど動かずに組んである。

ペアリングは皿ごとに9杯。シャンパーニュ、IWA 5、ギリシャのオレンジ、砺波の苗加屋、エトナのロゼ、魚津のメルロー、イタリアのピノ・グリージョ、リベイラ・サクラのロゼ、リスボアのオレンジ。焼いたホタルイカに魚津の赤を当ててきたのが面白い。

行くならホタルイカの上がるこの時期。光るところまで見たいなら、さらにその中の数日に当たらないといけない。次は、ホタルイカが終わったあとの富山湾で、同じ人が何を並べるかを見に来たい。