8月25日、麻布台ヒルズのフロリレージュへ。ワインのペアリングで10皿。
コース
スイカのガスパチョ レンコン マスタードトリュフ 黒胡麻
木の椀に赤い冷たいスープ、黒胡麻とハーブ。串に刺したレンコンの揚げ物と、小皿にマスタードトリュフ。
スイカの味わいは控えめで、まろやかなさっぱりさにスープが合う。レンコンは柔らかく、トリュフらしい味も控えめ。合わせて食べるマリアージュもありつつ、レンコンの自然の甘さを楽しむ皿。
落花生のババロア 唐揚げ レモンオイル 菊と山椒の花 海藻のサラダ
白いババロアの上に黄色い菊の花びらと山椒の花。レモンのオイル。石の上に海藻のサラダが別に来る。
落花生というよりレモンクリームという感じで、レモンがよく合う。海藻はクリームに負けず、なぜか味が引き立つ。塩も良い。
レモングラスと生姜 マグロ 海老のコンソメ 葱鮪
朱塗りの椀。伊勢海老と車海老のコンソメに鮪と焼いた葱。葱鮪のフレンチ。
レモングラスと生姜で、香りも味もタイ料理の方向へ行く。鮪はほろほろで旨味があり、それが野菜の甘さを引き立てる。最後に残るのはタイの風味より出汁の旨味。
鴨と茄子 茄子のニョッキ ピューレ タルタル 茶葉のオイル 炙りシラス
茄子の皮のシートを被せてあり、周りに茶葉のオイル。中に鴨と茄子のニョッキ、ピューレ、タルタル、炙ったシラス。
茄子の香ばしさと茶葉の苦味が、カレーのような方向になる。中はもちもち。茄子の旨みを色々な形で味わえて、素晴らしい1皿。
黒舞茸のコンフィ 油揚げのラビオリ 松茸 舞茸のエキス ライム 銀杏
出汁の中に黒舞茸のコンフィ、上に油揚げの細切り。松茸、銀杏、ライムの皮。
きのこの旨みを楽しめる。松茸は控えめで、舞茸だけで取ったスープの旨味が凄い。後味も残る。
鮎 ポワロのタルト 卵のソース 鮎のソース
長野、天竜川の鮎。揚げた骨と尻尾を上に、身は卵のソースの中。横にポワロのタルト。
鮎の苦味はソースで相殺され、葱とタルトの甘みでも相殺される。フレンチらしい鮎の食べ方。
ズッキーニのソテー 花のソース 黒トリュフ 椎茸 長芋とニンニクのピューレ トマト ムース タルト ハーブ
メインはズッキーニ。ソテーして花をのせ、緑のソース。黒トリュフと椎茸、長芋とニンニクのピューレ、トマト。板の上にムースとハーブのタルト。
ズッキーニの甘さに、酸やまろやかさを楽しめる。
梅のアールグレイバターサンド フロマージュ
紅茶色のサブレで梅を挟んだバターサンドと、銀の台にフロマージュ。
意外にさっぱりしていて、甘さも控えめ。
あずきのおやき ウイスキー フェンネルのアイス
焼き目のついたあずきのおやきに、泡とフェンネルのアイス。ウイスキーの風味。
あずきの自然な甘さと、フェンネルのさっぱりが合う。
琥珀糖 長野パープル エクレア
木の台に琥珀糖、長野パープル、小さなエクレア。お茶と。
まとめ
この店の面白さは、野菜が主役でコースが組まれていることだと思う。スイカのガスパチョで始まり、メインがズッキーニで、鴨と茄子の皿でも茄子のほうが記憶に残る。肉と魚は野菜の甘さを引き立てる側に回っている。
もう一つは、フレンチの形の中に和の素材が入ってくること。落花生のババロアに海藻のサラダ、黒舞茸に油揚げ、締めにあずきのおやき、小菓子に琥珀糖。どれも形はフレンチのまま、味の芯は和のものになっている。
ペアリングはシャンパーニュ、ロワールの白、アルザスのピノ・グリ、相模のビターリキュール、ブルゴーニュの赤と幅が広い。落花生のババロアとソミュールの白、鴨茄子とビターリキュールが特によかった。メインのマルサネだけは果実味が勝って、ズッキーニの甘さと合わなかった。
この日いちばんよかったのは鴨と茄子だった。茄子の香ばしさと茶葉の苦味がカレーのように重なって、中はもちもち。茄子一つでこれだけの味が出るのかと思う皿だった。
八月の終わりは夏野菜の最後の時期で、舞茸と松茸がもう入っていた。次は秋、きのこが主役に回った頃に来てみたい。