コース
栗の白和え、唐揚げ、刺身四種
盆に栗の白和え、唐揚げ、紫芋の素揚げ、刺身が四種。
白和えは衣が粗くて、崩した豆腐の粒がそのまま残っている。そこに栗がごろりと入っていて、衣の甘さと栗のほくほくした甘さが二段で来る。刺身は皮を炙ったそうだがつおが、四種のなかではいちばん味が強い。
焼き牡蠣
殻ごと焼き上げた牡蠣を二つ、青みをひと掴み。
火が入って縮んだぶん、殻に残った汁まで潮気が濃い。
貝と若布
若布と白い貝の身。
貝の甘みの上を、茗荷の香りが通っていく。
八角の焼き物
姿のまま焼いた八角が一尾、じゃがいもにおかかをまぶしたもの、檸檬と大根おろし。
脂は重くないのに身がほろりとほどけて、皮のきわがいちばん旨い。
国産豚の塩麹焼き
塩麹に漬けて焼いた国産豚、レタスと玉ねぎのサラダ。
塩麹が脂の甘さを引き出して、生の玉ねぎの辛みがそれを引き締める。
揚げ出し豆腐と野菜
揚げ出しの豆腐、かぼちゃ、ズッキーニ、パプリカ、七味を振った大根おろし、小口の葱。
出汁が薄めに張ってあって、揚げた衣が吸ったところだけ味が濃くなる。
牛蒡と肉のご飯
牛蒡と肉を炊き込んだご飯、白胡麻をたっぷり。
牛蒡の香りが肉の脂を軽くして、胡麻がそれをまとめる。
黒鳥の土瓶蒸し
土瓶に黒鳥の土瓶蒸し、水菜と白髪葱。
猪口に注ぐと、澄んだ出汁に香りだけが移っている。檸檬を搾る。
洋梨のシャーベット
洋梨のシャーベット、ラフランス。
ざらりとした舌触りで、溶けたあとに香りだけが残る。
まとめ
余市のかくと徳島屋で10月の夜に9皿を食べた。栗の白和えの盆で始まって、八角が一尾そのまま来て、土瓶蒸しで締まる。
グラスはドメーヌモン、ドメーヌ・アツシスズキ、ドメーヌ・タカヒコ。この三つのドメーヌを一杯ずつ和食の膳に当てるのが「Vin de 時候膳」で、ラベルに並ぶ地名はどれも同じ町のものだ。出汁と焼き魚の隣に、同じ町の畑のぶどうが座っている。
八角は冬が本番。余市駅の真向かいなので、ワイナリーを回った日の夜に寄るのがいい。次は雪が降ってから、脂の乗ったのをもう一尾食べたい。