コース
芹のおかゆ
刻んだ芹を混ぜたおかゆを少しだけ。
山菜のほのかな旨みと、おかゆの優しい味。
席に着くと、鉢いっぱいの山菜が回ってくる。名前は絵のカードのほうで確かめる。ふきのとう、あさつき、ぎょうじゃにんにく、なるこゆり、こごみ、こしあぶら、うるい、きのめ、うど、わらび、たらのめ。
初夏野菜と佐渡の黒鮑、細魚
アスパラガス、蕪、根曲がり竹、スナップエンドウ、三つ葉、佐渡の黒鮑と細魚。
野菜も魚も抜群に美味しく、どれもしゃきしゃきしている。具材が多いぶん一皿が長い。
胡桃豆腐とこごみの椀
澄んだ鳥の出汁、胡桃豆腐、こごみ、うるい、あさつき、あずき菜。
野菜も豆腐もうまいが、出汁が合っていて相乗効果になる。
山菜の春巻き
雪室じゃが芋の春巻き、ミズ、独活、カキドオシ、菜の花、からしのドレッシング。
ジャガイモがかなりうまくて、山野草はその後押しに回る。
蛸と黄金豚
山菜と和えた蛸、青い茎を敷いた黄金豚、白く和えたもの。
蛸の甘さに蕗の薹の苦みが合わさり、黄金豚のほうは辛子がひと点で脂を引き締める。
鰆の蕗味噌
炭火で皮を焼いた鰆を二切れ、蕗味噌、こしあぶらと蕗の茎。
蕗味噌がうますぎる。鰆もかなり良い。
短角牛
薄く三枚の短角牛、ののば、たらの芽、アブラゴゴミ、牛蒡。
赤身の鉄気に、たらの芽の苦みと牛蒡の土の匂いが横から加わる。
南魚沼のコシヒカリ
土鍋に南魚沼の米仙人・清さんのコシヒカリ。
炊き立ての甘い匂いがして、海苔と漬物と汁だけで一膳が終わる。
山の花
ムース、薄く切った苺、白い小さな花をひとつ、よもぎのクッキー、ふき砂糖。
さっぱりめだけれど、少し甘すぎる。甘さそのものは自然なもの。
まとめ
木鉢いっぱいの山菜が回ってきて、そこから9皿。芹のおかゆで始まり、初夏野菜に佐渡の黒鮑と細魚が入り、椀は胡桃豆腐にこごみ、春巻きは雪室じゃが芋。印象に残ったのは鰆の蕗味噌で、これがうますぎる。南魚沼の早苗饗で、小満の5月の夜。
献立の柱が山菜と野草だけで立っている。こごみ、うるい、あさつき、あずき菜、ミズ、カキドオシ、こしあぶら、たらの芽、ののば、アブラゴゴミ。同じ山のものが椀にも春巻きにも肉の皿にも形を変えて出てきて、最後は南魚沼のコシヒカリで締まる。合わせた酒も八海山、鶴齢、Maison Aoi、フェルミエ、カーブドッチと新潟のものばかりで、松本のサイダーが一杯だけ混じる。
行くなら雪が消えて山菜が出揃う5月。次は同じ山が茸に変わる頃に来たい。