12月の夜、金沢・片町の鮨 いくたへ。つまみが6品、握り11貫に手巻きが1つ、間に香箱蟹のちらし。日本酒はグラスで6杯。

コース

01

氷見のクエ

食材クエ

産地クエ富山 氷見

赤絵の小皿に、たれを敷いたクエの切り身を二切れ重ね、穂紫蘇とわさびを添えて

厚めに引いた富山・氷見のクエを二切れ、たれ、穂紫蘇とわさび。

身は歯ごたえがあって、たれの塩気で脂の甘みが出る。

02

かますの炙り

食材かます

炙ったかますに茗荷と葱の千切りと白胡麻をのせ、たれを敷いた茶色の鉢で

皮を炙ったかます、茗荷と葱の千切り、白胡麻、たれ。

炙った皮の香ばしさが、薬味の辛みと胡麻の香りで立つ。

03

カラスミ餅

食材唐墨

緑釉の小皿に、唐墨の薄切りと焼いた餅を重ねた一口

唐墨の薄切り、焼いた餅。

唐墨の塩気と餅の香ばしさが混ざり合う。

04

氷見のぶり

食材ぶり

産地ぶり富山 氷見

赤絵の鉢に、脂の白い層が見えるぶりの切り身を二切れ、紅葉おろしとわさびを添えて

氷見のぶりを二切れ、紅葉おろし。

身の端まで白い脂の層が入っていて、脂すごい。紅葉おろしの辛みが、その脂を引き締める。

05

日本海のまよいガツオ 藁焼き

食材カツオ

産地カツオ日本海

染付の皿に、皮を焦がした鰹の藁焼きを二切れ、芽ねぎをのせて

藁で焼いた日本海のまよいガツオを二切れ、芽ねぎ。

皮だけサッと焼いて、身は生に近い。だから鰹の味がいきる。

06

珠洲の毛蟹

食材毛蟹

産地毛蟹能登 珠洲

角鉢に、ほぐした毛蟹の身と蟹味噌、きゅうり、穂紫蘇を盛って出汁を張った一品

ほぐした珠洲の毛蟹の身、蟹味噌、きゅうりと穂紫蘇、張った出汁。

味噌が濃厚だけどフレッシュ。

07

甘鯛の昆布締め

食材甘鯛

染付の皿にのった甘鯛の昆布締めの握り

昆布で締めた甘鯛。

昆布の旨みが白身に入って、味が濃い。

08

アオリイカ

細かく包丁を入れ、緑の刻みを混ぜて煮切りを塗ったアオリイカの握り

細かく包丁を入れたアオリイカ。

味とねっとりのバランスが良い。紫蘇が入ることで、そのバランスがさらに良くなる。

09

鰆の炙り

食材鰆

銀の皮目を残して炙り、身に細かく包丁を入れた鰆の握り

皮を残して炙り、身に細かく包丁を入れた鰆。

あっさりだけど旨みが押し寄せる。

10

バイ貝

食材バイ貝

大ぶりの身を開いて握った、つやのあるバイ貝の握り

大きめの身を開いたバイ貝を一貫。

噛みごたえがあって、そのぶん味も出てくる。うまい。

11

鯛 葱

食材鯛長葱

皮際の赤みが残る鯛の握り。シャリとの間に刻んだ葱がのぞく

鯛、シャリとの間に挟んだ刻んだ葱。

鯛の脂と葱の香りが程よいバランスで、後から葱ごと旨みが来る。

12

富山のシラス 手巻き

食材シラス海苔

産地シラス富山

海苔に白いシラスを山盛りにした手巻きを手で持ったところ

海苔に山盛りにして手渡しで来る富山のシラスの手巻き。

海苔とシラスだけ。シラスの塩気と海苔の香りがそのまま混ざり合う。

13

宮城の鮪 大トロ

食材鮪

産地鮪宮城

細かい筋が入ったピンク色の大トロの握り

2週間寝かせた宮城の鮪の大トロ。

うまい。寝かせたぶん脂の角が取れて、赤身の味が後から来る。

14

カワハギ 肝

白い身のカワハギの握りに、練った肝をひとつのせて

カワハギ、練った肝をひとつ。

淡い身の上で、すだちの酸と肝のコクが合う。味も良い。

15

ノドグロの炙り

鱗の側を焼き付けたノドグロの炙りの握り

鱗の側を焼き付けて炙ったノドグロ。

炙った皮の香ばしさと、白身に回った脂が一緒に来る。

16

香箱蟹のちらし

黒い鉢に、香箱蟹の身と内子外子、雲丹、いくら、わさびを盛ったちらし。白い蓮華を添えて

ほぐした香箱蟹の身と内子外子、雲丹、生いくら。

外子のつぶつぶと内子の濃さに、雲丹の甘さといくらの塩気が混ざり合う。

17

万寿貝

食材万寿貝

厚みのある白い身を開き、煮ツメを一筋引いた万寿貝の握り

厚みのある身を開いた万寿貝、煮ツメを一筋。

厚みのぶん、噛むと貝の香りが長く残る。この名前で一貫出てくるのが面白い。

18

甘海老

食材甘海老

数尾を並べて一貫にした甘海老の握り

数尾を並べた甘海老を一貫。

重ねてあるぶん、甘さととろみがまとまって来る。

19

ガスエビの炙り

焼き目のついた身を並べたガスエビの炙りの握り

炙って焼き目を入れたガスエビ。

甘海老の次にこれが来ると、炙ったぶん香ばしさが際立つ。

まとめ

金沢・片町の鮨 いくたで12月の夜。つまみが6品、そこから握りが続いて、最後は甘海老とガスエビを二貫並べて終わる19品。

12月をいちばん語っていたのは香箱蟹のちらしだった。ほぐした身と内子外子に、雲丹と生いくらを重ねて黒い鉢に盛ってある。毛蟹も今が時期で、珠洲のものが味噌ごと出てきた。蟹が二種類、別の形で並ぶ。

つまみは能登と富山で組んである。氷見のクエとぶり、珠洲の毛蟹、日本海のまよいガツオの藁焼き。ぶりは身の端まで脂が入っていて、まよいガツオは皮だけ焼いて身を生に近く残してあった。握りに入ってからも、富山のシラスが海苔で手渡しになる。遠くから来たのは宮城の鮪の大トロだけで、それも2週間寝かせた一貫だった。

日本酒はグラスで6杯。奥能登の白菊で始まり、羽咋の遊穂、能登の竹葉と続く。

香箱蟹と毛蟹が同じ晩に並ぶのは短いあいだで、この夜はその真ん中だった。次は寒がもっと深くなってから、氷見のぶりを目当てに来たい。