コース
白海老と夏野菜のゼリー寄せ
蓮の葉に茄子ときゅうりで巻いた夏野菜のゼリー寄せ、富山湾の白海老、トマトとオクラ、柚子。
出汁のゼリーがさっぱり通っていく中に、白海老と夏野菜の旨みが際立つ。
鱧と冬瓜のお椀
鱧、冬瓜の薄切り、じゅんさい、輪切りの柑橘、梅をひと粒。
出汁は優しい味で細く、じゅんさいのつるりとした歯ざわりが良い。
新湊のキジハタのお造り
今日〆た新湊のキジハタのお造り、大葉と穂紫蘇、茗荷、酢橘と塩。
コリコリした歯応えがあって、噛んでいると後から旨みが広がってくる。
黒部生地の天然鮑の蒸し物
5時間蒸した黒部生地の天然鮑、身とは温度を変えた肝、そうめんかぼちゃ、ずいき、酢、柚子の皮。
身しか食べていないのに肝の味もあって、旨みがすごい。海の香りというより、水の感じが透き通ってくる旨みで、部位ごとに旨みも変わる。肝は上品で、それでいて旨みが凄すぎる。後味も臭くなくてバランスが良い。今までで一番かもしれない。
黒部の生地、富山でいちばん水が綺麗なところで、海女さんが獲ったもの。
大門素麺のとろろ
冷やした大門素麺、とろろ、焼海苔。
細い素麺にとろろがからんで、焼海苔の香りが上から来る。
八寸
盆に殻ごとのさざえの味噌和え、胡麻醤油をかけた白いちじく、たれと酢で食べる庄川の天然鰻、白瓜の雷干し、ビーツを詰めた高尾もなか、魚のすり身の和風カステラ、万願寺とじゃこ、塩水の枝豆、焼き目をつけた生麩、青楓。
胡麻醤油の塩気が白いちじくの甘さを引き立て、さざえは味噌のコクで濃い。八つそれぞれ味が違って、味噌が入るぶん全体は日本酒のほうに寄った。
神通川の天然鮎の炭火焼き
ほうじ茶で燻してから炭火で焼いた神通川の天然鮎を二尾、塩、蓼酢。
頭からカリッといって、皮と身のバランスがすごい。身はふっくらして旨みもあり、燻したほうじ茶の香りが後に残る。
神通川の鮎で、八尾の漁師から。
ぼたん海老と蓮芋
昆布で〆たぼたん海老、蓮芋、酢ゼリー、柑橘、穂紫蘇の花。
昆布〆のぼたん海老がねっとりして、そこを酢ゼリーと柑橘がさっぱり通していって、旨い。
吉川なすのすり柚子
打ち粉をして油で揚げ、鰹と昆布の出汁で炊いた福井の吉川なす、すり柚子、塩。
塩っけが若干あって、出汁はシンプルですっきりしている。優しい味で、茄子の旨みを出汁がほんのり後押しする。
とうもろこし土鍋ご飯
土鍋に炙ったとうもろこしで埋め尽くしたご飯、茄子の漬物、味噌汁。
炙ったとうもろこしの香りと甘みが、ご飯のそれと混ざり合う。
満寿泉プラチナの酒粕アイス
満寿泉プラチナ寿の酒粕で作ったアイス。
酒粕の香りが、乳の甘さの後に残る。
水羊羹
能登の大納言小豆を満寿泉の湧水で炊いた水羊羹、青楓。
小豆の甘さはすっきりしていて、抹茶の苦みが後に来る。
まとめ
白海老のゼリー寄せに始まって水羊羹まで12皿、そのすべてにグラスが付く。富山のふじ居で8月の夜。
印象に残ったのは鮑だった。黒部の生地で海女さんが獲ったものを5時間蒸す。身だけを食べているのに肝の味が後から追いかけてきて、噛む場所を変えると旨みまで変わる。
鮎は神通川、八尾の漁師から。水鉢で泳いでいたものが笹の上に移されてほうじ茶で燻され、そのまま炭火にかかって出てくる。塩と蓼酢が添えられて、どちらで食べても旨味を引き出す。
産地の多様さもいつもどおりだった。黒部生地の鮑、神通川の鮎、新湊のキジハタ、庄川の天然鰻、富山湾の白海老、能登の大納言小豆。県外から来たのは福井の吉川なすくらいで、水羊羹を炊く水まで満寿泉の湧水だという。
この夜の満寿泉は、限定大吟醸、白萩、プラチナ寿の搾り生酒、BO、ふじ居ボトル、Gグリーン、ふなはし、リンク8888、貴醸酒で造った貴醸酒。八寸だけは氷見のセイズファームがふじ居のために瓶詰めしたシャルドネとワイン樽熟成の満寿泉を二杯並べ、ぼたん海老には IWA 5 が付く。出し方も皿ごとに変化して、椀は常温、茄子は65℃まで上げて20℃まで下げた燗冷まし。土鍋ご飯にはリンクと並べて、山田錦を17%まで磨いた非売品が冷凍庫から出てきた。
行くなら鮑と鮎ととうもろこしが一度に並ぶ8月。次は鮎が落ちて、蟹が上がってくる頃に来てみたい。