コース

01

明石鯛のエッセンス

食材鯛

産地鯛明石

白い小椀に注がれた明石鯛のエッセンス。澄んだ琥珀色

昆布〆にした明石の鯛のアラと頭を乾燥させ、湯引きを繰り返して引いたエッセンス、塩は入っていない。

小椀に半分ほど注がれただけの液体が濃厚で、旨みが別格。塩を足さずにここまで出る。

02

明石鯛の握り 蕪と青林檎のシャリ 安曇野のわさび

食材鯛蕪林檎わさび

産地鯛明石・わさび長野 安曇野

蕪と青林檎のシャリに明石鯛をのせた握り。上にわさび、下に柑橘の輪切りと紅葉した葉

蕪と青林檎のシャリの握りを一貫、柑橘の輪切り、紅葉した葉、安曇野のわさび。

蕪のみずみずしさと青林檎の酸が、昆布〆の鯛を軽く持ち上げる。

03

根室の雲丹 出汁のメレンゲ

食材雲丹青海苔

産地雲丹北海道 根室

青のりをまぶした出汁のメレンゲに根室の雲丹を重ねた一口

根室の雲丹、すじ青のりをまぶした出汁のメレンゲ、フレッシュチーズ。

昆布の風味が全体に通っていて、青のりとチーズと雲丹が合う。

04

中津川オシェトラキャビア 南丹黒ゴマのシュー 黄身酢クリーム

食材キャビア黒ごま卵

産地キャビア中津川・黒ごま京都 南丹

黒ごまのシューにオシェトラキャビアを盛った一口。粒が光る

中津川のオシェトラキャビア、南丹の黒ごまのシュー、黄身酢のクリーム。

黒ごまのシューは香りが強く、黄身酢の酸がキャビアの塩気を受け止める。

05

丹波栗 神奈川黒トリュフ 福留小牧場クラテッロ 極薄煎餅

食材栗トリュフ生ハム

産地栗丹波・トリュフ神奈川・生ハム福留小牧場

極薄の煎餅にクラテッロを重ね、丹波栗と黒トリュフを削りかけた一皿

極薄の煎餅、福留小牧場のクラテッロ、削りかけた丹波栗と神奈川の黒トリュフ。

削った栗とトリュフの下で、クラテッロの塩気と脂が煎餅の軽さを支える。

06

サスティナブル・ガーデン・ブレッド 自家製イチゴ味噌 大原ハーブ

食材苺味噌

大原のハーブが入ったサスティナブル・ガーデン・ブレッド、自家製のイチゴ味噌、リコッタ、白インゲンのペースト。

イチゴ味噌は甘さも塩気も強く、リコッタと白インゲンがそれを受け止める。

07

大分の赤貝 クラフトビネガー ミリン

食材赤貝ビーツルッコラ

産地赤貝大分

氷を敷いたガラス鉢の赤貝。葉ものを重ね、赤い海藻のソース。殻を蓋にして

殻付きで見せてから剥き、クラフトビネガーとみりんで当てた大分の赤貝、海藻の赤いソース、ビネガーのビーツと紅芋、オータムポエムの葉、野生のルッコラ、氷。

牡蠣みたいに海の香りがすごい。

白い皿にのせた殻付きの大分の赤貝4つ
剥く前の大分の赤貝
08

明石タコ柔らか煮の炭火焼 2年熟成キタアカリピュレ

串に刺した明石タコの炭火焼に、キタアカリのピュレをかけたもの

2時間かけて柔らか煮にしてから炭火で焼いた明石の蛸、2年熟成のキタアカリのピュレ、黒七味、パプリカ。

炭の香りの付いた蛸と2年置いた芋のピュレが、甘く混ざり合う。

09

明石天然車エビの西京焼き 薄焼き卵 セミドライトマト白みそ

セミドライトマトの白みそのソースに車海老の西京焼きをのせ、大原のハーブと花を散らした一皿

四本まとめて見せてから焼いて西京焼きにした明石の天然車海老、薄焼き卵、柚子胡椒の入ったセミドライトマトの白みそのソース、大原のハーブと花、海老の味噌。

海老がでかい。車海老の旨みと大原のハーブが非常に合う。柚子胡椒のせいか、かすかにアジア系の匂いがよぎる。

金串を打った明石の天然車海老4本を皿にのせて見せる
串を打った明石の天然車海老
10

新生姜麺 三重の蛤

食材蛤生姜

産地蛤三重・尾鷲

新生姜の麺に蛤を重ねた冷製の一皿

冷製の新生姜のタリオリーニ、三重の蛤。

蛤と生姜が自然に馴染む。

新生姜の塊、三重の蛤、タリオリーニを石の上に並べた材料の見せ
新生姜、三重の蛤、タリオリーニ
11

明石甘鯛米鱗焼き 煮付けクリーム 天然アサツキ

食材甘鯛米あさつき

産地甘鯛明石

鱗と米を立てて焼いた明石甘鯛に、緑の芽を添えた一皿

鱗を別に付けて米のスフレと立てて焼いた明石の甘鯛、煮付けクリーム、塩のソース、野蒜の新芽とあさつき、魚のアラ、大原のハーブ。

甘鯛も美味い。ソースもソーセージ的な旨みがあって、タルタルみたい。

12

近江牛フィレ ブラック・シーズニング シイタケ WABISUKE卵

食材近江牛しいたけ卵味噌

産地しいたけ群馬・卵京都 宇治・WABISUKE

切り分けた近江牛フィレと、黄身をのせたしいたけ

麹味噌とニンニクで覆って塊のまま表面が黒くなるまで焼いた近江牛のフィレ、ブラック・シーズニング、群馬のしいたけ、宇治のWABISUKE卵の黄身。

ほぼ低温調理でやわらかく、肉の旨みが出ている。しいたけも美味しく、卵もよい。すき焼きとは違うけれど、それらしさはある。

表面を黒く焼き上げた近江牛フィレの塊を皿にのせて見せる
焼き上げた近江牛フィレの塊
13

おじや 蟹3種(渡り蟹 セイコ蟹 モズク蟹)

土鍋いっぱいの蟹のおじや。しいたけが覗く

土鍋に渡り蟹、セイコ蟹、モズク蟹、おじや。

3種の蟹の出汁を吸った米に、内子が色と塩気を足す。

椀によそった蟹のおじや
椀によそった蟹のおじや
14

代白柿

食材柿

産地柿京都

皮を剥いた代白柿を丸ごと器にのせ、粉を散らしたもの

皮を剥いて丸のままの代白柿、はちみつと木の実のゼリー、マリーゴールド、柿のグラニテとソース。

柿はスイートポテトらしいくらい甘さがあって、茹でた林檎のような甘みと味になる。

黒い鉢の代白柿に、とろりとしたソースをかけたもの
ソースをかけた代白柿

まとめ

鴨川沿いのシェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue で11月の夜。明石鯛のエッセンスと握りから始まって、根室の雲丹、丹波栗と黒トリュフとクラテッロ、大分の赤貝、明石の蛸と車海老、新生姜の麺と蛤、明石甘鯛の米鱗焼き、近江牛、蟹3種のおじや、代白柿まで15皿。ワインが8杯付いた。

印象に残ったのは明石鯛のエッセンス。明石鯛のアラと頭を乾燥させ、湯引きを繰り返して引いて、塩を入れていない。それで濃厚で、旨みが別格だった。次が車海老で、海老の旨みと大原のハーブが合い、トマトの柚子胡椒でかすかにアジア系の匂いがよぎる。

献立が七十二候で替わる店で、数日ごとに候が動くたびに組み直される。この夜は小雪の初候「虹蔵不見」、コンセプト食材はせいこ蟹で、蟹は最後のおじやに3種まとめて入った。明石の鯛も蛸も甘鯛も車海老も同じ日に並ぶのに、御品書きの真ん中に書いてあるのは蟹一種の話だけ、という組み方をする。

同じ献立は次の候には無い。行くなら候を選んで日を決める店で、同じ11月でも上旬と下旬では別のものが出る。次は冬の候に、蟹がおじやではなく主役になるところを見たい。