コース
明石鯛のアラのスープ
明石の鯛の頭を乾かして利尻の2年熟成の昆布を10時間引いた出汁と合わせたアラのスープ。
燻製の鰹節みたいな感じで、海らしさもあるが旨みもある。
明石鯛 出汁醤油マリネ 京都の赤かぶと青林檎
出汁醤油でマリネした明石の鯛、京都の赤かぶ、青林檎、檸檬の輪切り。
蕪は酸とインパクトがあるが、後から鯛の旨みが来る。
雲丹 すじあおのりメレンゲ
雲丹をひと山、すじあおのりをまぶしたメレンゲ。
青のりと雲丹の旨みで、新鮮で生らしさがある。
カワハギと肝 アボカド タルト 大原の葉わさび
肝で和えたカワハギ、小さなタルト、アボカド、いくら、刻んだ大原の葉わさび。
カワハギはさわやかだけどコクがある。下の生地も良い。
鮪 キャビア カリフラワー ビネガー
角切りにしてビネガーの赤い汁に沈めた鮪、キャビア、生のカリフラワー。
酢は控えめ。マグロが重い良い味で、キャビアとカリフラワーがさっぱりさせる。
大分の赤貝 真鱈のムース フルーツトマトの白味噌 大原の赤大根
大分の赤貝、フルーツトマトの白味噌、大原の赤大根の千切り、真鱈のムース。
白味噌とフルーツトマトの甘みの上に真鱈のムースがのって、赤貝の歯ごたえだけが残る。
始末のパン 自家製苺味噌 大徳寺納豆
壺におからの入った「始末のパン」、自家製の苺味噌、大徳寺納豆、京都のごま油、山菜とハーブ、花。
苺味噌の甘みと大徳寺納豆の塩気が、おからのパンの淡いところと混ざり合う。
明石の伝助穴子 トリュフ 玉ねぎ 薄焼き卵 30年バルサミコ
明石の伝助穴子を一本、黒トリュフを敷き詰めた薄焼き卵の丸い生地、玉ねぎ、30年のバルサミコ。
穴子が新鮮で旨すぎる。軽いトリュフと玉ねぎの甘さがよく合う。
自家製ちぢみほうれん草の麵 蛤の揚げ
自家製のちぢみほうれん草の麵を深緑のまま一巻き、割った揚げ蛤を二つ。
衣の油と蛤の汁気が、青いままの麵に絡む。
徳島の伊勢海老のタルタル 檸檬 海老のチップス
徳島の伊勢海老のタルタル、格子に揚げた海老のチップス、檸檬。
タルタルも良いけどチップスがすごい。後味も残りまくる。
徳島の伊勢海老 ケッパーソース
身を外した徳島の伊勢海老、ケッパーのソース。
海老は相当ぷりぷり。あっさりマヨネーズ的なソースも最高。
近江牛 緑大根 柚子 酒粕味噌
塊のまま串を打って焼き、串ごと見せてから切り分けた近江牛、泡立てた酒粕の味噌、丸めた緑大根、柚子、クレソン、九条の太ねぎ、肉醤。
肉はほぼレアで旨みがある。肉味噌と酒粕がかすかだけど良い。
おじや 松葉蟹 河豚白子 伏見ねぎ
土鍋に松葉蟹と伏見ねぎを炊き込んだおじや、焼き目を付けた河豚の白子。
伏見ねぎの甘みがすごく、そこに蟹が後押しして、調和がすごい。
苺 ジャージーミルク 桜の葉の塩漬けのマリネ ミルクの湯葉
桜の葉の塩漬けでマリネした苺、ジャージーミルク、ミルクの湯葉を一枚。
ミルクが新鮮で旨すぎる。苺は甘く、桜の風味が良い。
苺の豆腐 梅の香りのジャム/ミルクの餅 エルダーフラワー 苺
苺の豆腐、梅の香りのジャム、ミルクのチーズ、葛粉のミルクの餅、エルダーフラワー、苺。
豆腐のほうはジャム感が強く、葛粉の餅のほうはシンプル。
枝の菓子
細い枝の菓子、焼いた切り株、苔、椿を一輪。
細い枝のチョコレートが割れて、中の柚子が酸で引き締める。
まとめ
鴨川沿いのシェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue で2月の夜。明石の鯛をアラのスープと出汁醤油のマリネで2皿、雲丹のすじあおのりメレンゲ、カワハギと肝のタルト、鮪とキャビア、大分の赤貝と真鱈、始末のパン、明石の伝助穴子、ちぢみほうれん草の麵と蛤、徳島の伊勢海老を最中と主菜で2皿、近江牛、松葉蟹と河豚白子のおじや、苺とジャージーミルクの3皿まで16皿。ワインが9杯付いた。
印象に残ったのはおじや。伏見ねぎの甘みに蟹が後ろから加わって、椀の中で一つになっていた。次が明石の伝助穴子で、薄焼き卵と黒トリュフの上で、新鮮さがそのまま旨さになっている。伊勢海老は2皿で、主菜の身は相当ぷりぷりだった。それでも印象に残っているのは最中の下に敷いた海老のチップスのほうで、食べ終わってからも後を引いた。
献立は七十二候で組み替わる。この夜は立春の初候「東風解凍」で、御品書きには「暖かい春の風が、冬の間張りつめていた氷を溶かし始める頃」と書いてあった。氷を敷いた鉢に伊勢海老と赤貝が並ぶところから始まって、大原の赤大根と葉わさび、ちぢみほうれん草、最後は苺と桜の葉まで来る。
雲丹のすじあおのりメレンゲとおじやは11月にも出た。おじやのほうは、あのときの蟹3種から松葉蟹と河豚白子に替わっている。候が動けば献立も動く店だから、日を先に決めるより、どの候に当たるかで決めたい。次は春の候に、大原のものがもっと出てくるところを見たい。